キャリア形成促進助成金から平成29年4月1日より人材開発支援助成金へ改正されました。

「キャリア形成促進助成金 制度導入コース」について、大企業への助成及び「教育訓練・職業能力評価制度導入助成」を廃止し、キャリア形成支援制度導入コース及び職業能力検定制度導入コースの2つのコースに再編しました。

 

[制度概要]

セルフ・キャリアドックの制度、教育のための休暇制度を、従業員のキャリア形成促進のためのツールとして活用し、企業内における人材育成を促進するための取組を行った事業主等に対する助成です。企業内の職業能力開発の仕組みづくりを促進します。

 

[支給対象となる取組]

・ セルフ・キャリアドック制度
⇒ 従業員に対する継続的なキャリア・コンサルティングを、ジョブ・カードを活用し計画的に行う制度

セルフ・キャリアドック制度
※中級以上のキャリアコンサルタントの方を確保し、定期的にコンサルを行っていく必要があります。

セルフ・キャリアドック実施計画書にキャリアコンサルタントの署名押印が必要となりました。

 

・ 教育訓練休暇制度
⇒ 教育訓練のための休暇制度を導入する制度

制度の導入の証として、就業規則の改定等が必要です。また、企業規模ごとに、適用最低人数、日数があります。
従来の要件1日以上が累計5日以上となりました。
雇用する被保険者数20人未満 ・・・最低適用人数:1人
20人以上30人未満・・・ 2人
30人以上40人未満・・・ 3人
40人以上50人未満・・・ 4人
50人以上・・・5人

雇用する被保険者数20人未満 ・・・最低適用日数:5日以上
20人以上30人未満・・・ 10日以上
30人以上40人未満・・・ 15日以上
40人以上50人未満・・・ 20日以上
50人以上・・・25日以上
※自発的な訓練で、有給にも無給にもできます。OJTや業務命令の教育などは対象になりません。

人数分の雇用契約書の添付が要件となりました。

 

 

[支給額]

以下の制度を就業規則などに規定して導入し、従業員に実施した事業主に、一定額を助成します。

導入・実施助成47.5万円(生産性要件達成60万円)です。中小企業のみ対象

生産性要件の対象です。
労働生産性とは?

企業における生産性向上の取組みを支援するため、生産性を向上させた事業主に対して、助成額について引き上げをいたします。
具体的には、申請する企業が次の方法で計算した「生産性要件」を満たしている場合に助成額を割増します。
企業における生産性向上の取組みを支援するため、生産性を向上させた事業主に対して、助成額について引き上げをいたします。
具体的には、申請する企業が次の方法で計算した「生産性要件」を満たしている場合に助成額を増額します。
①助成金の支給申請等を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に比べて6%以上伸びていること
② 「生産性」は次の計算式によって計算します。
生産性゠(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数※1

  • なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。
  • 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
    ・その3年前に比べて6%以上伸びていること または、
    ・その3年前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること(※)
    (※)この場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること
「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。
なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。

 

社労士よりひとこと

従来の「キャリア形成促進助成金」から名称が「人材開発支援助成金」へと変更になりました。また制度導入コースの教育訓練・職業能力評価制度導入助成が廃止となり、セルフ・キャリアドックの制度、教育のための休暇制度についても、いずれか1つとなり、要件も厳格化されました。ただ、人材開発支援助成金の訓練コースはかなり書類の整備が大変ですが、制度導入コースは比較的もらいやすい助成金であることに変わりはないと思います。特に小規模な事業所においてはメリットがあると思います。また、セルフ・キャリアドックの制度については、助成金とは別に従業員にキャリアコンサルタントとの面談の制度を設けることで、その後の従業員のモチベーションのアップにつながったとこの声も聞きました。カウンセリング能力をしっかり持ったキャリアコンサルタントの確保も重要になると思います。