[概要]

 労働時間等の設定の改善を図り、過重労働の防止及び長時間労働の抑制に向けた、勤務間インターバル(9時間以上)制度導入に係る、規程や機器の購入など、各種経費の一部を支給するものです。

 

[勤務間インターバル制度とは]

勤務間インターバル制度は、前日の業務を終え退社した時間から翌日の始業時間までの間を一定期間開けなければならない、という制度です。

これまでの労働基準法では、労働時間の上限を決めることで法外に長い時間の労働を規制してきましたが、「勤務間インターバル制度」では定められた時間の休息時間を確保し長時間の労働を制限しています。

例えば、前日の退社時間が午後22時であった場合、勤務間インターバルの時間が11時間と設定されているため、翌日の始業時刻は11時間後の午前9時になります。

普段の就業時間が8時~17時と定められている場合でも、午前9時の始業が認められ、午前8時から午前9時までの間の1時間分の給料を減給されることもありません。よって前日遅い時間まで残業をした従業員の方もしっかり休息をとり翌日出社することができます。

海外では勤務間インターバル制度を取り入れている企業も多くありますが、日本国内でもすでにいくつかの企業が勤務間インターバル制度を導入しています。

 

[助成額]

費用の3/4を助成、 事業規模30名以下 かつ労働能率の増進 に資する設備・機器 等の経費が30万円を 超える場合は、4/5を 助成。

○上限額

休息時間数(※) 「新規導入」に該当する取組がある場合 「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合
9時間以上11時間未満 80万円 40万円
11時間以上 100万円 50万円

 

[要件]

勤務間インターバル制度・・・休息時間数を問わず、就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指します。なお、就業規則等において、○時以降の残業を禁止、○時以前の始業を禁止とするなどの定めのみの場合には、勤務間インターバルを導入していないものとします。

 

・新規導入
勤務間インターバルを導入していない事業場において、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを新たに導入します。

 

・適用範囲の拡大
既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下であるものについて、対象となる労働者の範囲を拡大し、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とすること。

 

・時間延長
既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場において、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、当該休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすること。

 

次の長時間労働対策の、 いずれか1つ以上実施します。

1 労務管理担当者に対する研修
2 労働者に対する研修、周知・啓発
3 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
4 就業規則・労使協定等の作成・変更
5 人材確保に向けた取組
6 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
7 労務管理用機器の導入・更新
8 デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
9 テレワーク用通信機器の導入・更新
10 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

■ その費用のめやすは以下の通りです。

事業の実施に要した経費のうち、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費及び委託費を助成対象の経費とします。

① 研修の講師謝礼・・・1時間あたり10 万円まで。
開催回数及び開催時間・・・原則として1回まで、1回あたり3時間までとする。
(労働者数が多い、支店が点在、交替制勤務等、事情がある場合は考慮)
② コンサルティングの開催・・・原則として1回まで、1回あたり30 万円
③ 就業規則の作成・変更に係る経費・・・就業規則本則20 万円、その他1規程10 万円まで。労使協定の作成・変更に係る経費は、1協定につき2万円とする。
④ 就業規則の届出に係る経費・・・2万円までとする。

■ 実施計画を作り、承認されてから、上記各種の措置を行い、費用を支出します。
計画は措置の少なくとも2か月前には提出します。その計画の措置は以下の通りです。

以下の取り組みが重要です!

(1)労働時間等設定改善委員会の設置等
労使の話し合いの機会の整備・・・会を開き、議事録を作る。

(2)労働時間等に関する個々の苦情、意見
及び要望を受け付けるための担当者の選任・・・役職の名称を付ける

(3)労働者に対する事業実施計画の周知・・・全員にメールを送る

 

[勤務間インターバルコース申請の流れ]

勤務間インターバルコースの申請を行い助成金を受給するためにはいくつかの手続きを行う必要があります。

・事業実施承認申告書を管轄の労働局へ提出し、勤務間インターバル制度の実施における承認の通知を受け取る。この際に提出する事業実施承認申告書には、勤務間インターバル制度の内容を含む事業実施計画の添付が必要。

締め切りが令和1年11月15日(金)

・勤務間インターバル制度の導入や従業員の研修、就業規則の作成や変更等の事業を実施する。

・提出した事業計画書の内容を踏まえ改善事業を実施したうえで、勤務間インターバル制度の導入が完了後に支給申請書を管轄の労働局へ提出。

締め切りが令和2年2月3日(月)

・管轄の労働局での受付・審査が終了し、支給が決定した場合には助成金支給の手続きを行い、助成金を受給する。

 

社労士よりひとこと

新設された時間外労働等改善助成金一つです。「働き方改革」の一環として、勤務間インターバル制度を導入した事業主が対象です。今年度より助成額の上限がアップしました。こちらは、取組に対してかかった経費に応じての助成金となります。現在、出退管理を紙媒体であったり、タイムカードを使用している事業所は例えば、電子勤怠ソフトを導入したりすることが想定されます。また、労働能率を増進させるための設備・機器等の導入も対象となります。なお、労務管理機器やソフトウェアや通信機器の導入に関しては相見積もり等が必要です。事前に「実施承認申請書」を労働局に提出して承認を受ける必要あります。受給まで要件を確認しながら進めていく必要があります。就業規則の作成・変更も必要(就業規則の変更や労使協定の策定の取り組みに関する費用も助成の対象になります)となりますので、社労士等の専門家に相談されることをおすすめします。また今年度より、「時間外労働等改善助成金」の支給を受けた中小企業が新たに労働者を雇い入れ、一定の雇用管理慶全を達成した場合に支給される「働き方改革支援コース」の助成の対象となります。