[概要]

 「育休復帰支援プラン」を策定及び導入し、プランに沿って対象労働者が育休を取得した場合、及び当該育休取得者が復帰した場合に また、育児休業取得者の代替要員を確保し、休業取得者を原職等に復帰させた中小企業事業主に支給します。「大企業」は対象外です。また、以下の制度のいずれかついて導入すれば上乗せ助成金が付きます。

  • 子の看護休暇制度
    子の看護等のため、小学校就学前の子につき、時間単位の利用ができ、かつ、有給の休暇制度を導入し、10時間以上の利用実績がある事業主
  • 保育サービス費用補助制度
    小学校就学前の子に係る臨時・一時的な保育サービス(保育所等による恒常的な保育を除く。)の費用の一部を労働者に補助する制度を導入し3万円以上の補助実績がある事業主

 

[受給額]

  • 育休取得時・職場復帰時<生産性要件アップ>
    1企業につき2回まで(正社員1回、期間雇用者1回)それぞれ1人について、以下の額が支給。
    1回目(育休取得時):プランを策定し、育休取得した時:30万円 ※中小企業のみ
    2回目(職場復帰時):育休者が職場復帰した時:30万円
    合計60 万円

以下の制度選択で、助成金が上乗せされます。

  • 業務代替支援:
    新規雇用:50万円
    手当支給等 10万円
    ※育児休業取得者が容器雇用労働者の場合に加算 10万円

・職場復帰後支援
〇看護休暇制度制度導入時 :30万円 (1事業所1回のみ)
 看護休暇制度利用時・・・A 子の看護制度 1,000円×時間 ※10時間以上で有給
B 保育サービス費用補助制度 実費2/3 ※3万円以上の補助
※育児休業等に関する情報追加加算
自社の育児休業の取得状況(男性の育児休業取得率、女性の育児休業取得率、男女別の育児休業取得日数)を「両立支援のひろば」サイトで公表した場合に支給額を加算。・・・2万円

 

[受給のポイント]

 産休42日に入る前の社員がいれば対象となる可能性があります。就業規則等に、育休復帰支援プランにより、労働者の円滑な育児休業の取得及び職場復帰を支援する措置を実施する旨あらかじめ規定し、労働者へ周知していること、一般事業主行動計画を届け、周知していることが重要です。

育休取得 : 中小企業事業主が、育児休業取得予定者と育児休業前の面談を実施した上で、育休復帰支援プランを作成し、当該プランの実施により、当該予定者が3か月以上育児休業を取得した場合、支給されます。
職場復帰 : 中小企業事業主が、育休復帰支援プランの実施により、育児休業中の情報提供を含む復帰支援を行うと共に、育児休業復帰前・復帰後の面談により必要な支援を行った上で、育児休業取得者が職場復帰後6か月以上雇用された場合、支給されます。

代替要員確保 : 次の①~③の全ての取組が必要です。
①育児休業取得者の職場復帰前に、就業規則等に育児休業が終了した労働者を原職等に復帰させる旨を規定すること。
②対象労働者が3か月以上の育児休業を取得した上で、事業主が休業期間中の代替要員を確保すること。
③対象労働者が、育児休業終了後に上記規定に基づき原職等に復帰し、さらに6か月以上継続就業すること。同一事業所内で育児休業取得者の職務を他の労働者が担当し、その労働者の職務に代替要員を確保する場合(いわゆる「玉突き」の場合)も、支給対象となります。

原職復帰が要件です。
原則同一事業所の、所属する組織の最小単位の所属先にいて、職制上の地位が低下していないこと。時間短縮をしても、給与形態(月給制など)は変わっていないこと等。

社労士より一言

いわゆる育児休業に対する助成制度です。特に女性社員の場合は、お子さんが1歳(もしくは1歳6か月)まで育児休業を取得するケースが多いと思いますが、事前に産前休業に入る前から、就業規則に定めた育休復帰支援プランに基づき、面談や引継ぎを書面にて残しておく必要があります。ただ、どこの事業所でも当たり前にされていることを制度化し、書面に残すことなので、比較的申請しやすい助成金だと思います。なお、職場復帰後支援については、制度の導入だけでの申請は不可となっています。助成金の申請にあたっては、育児・介護休業に関する規定が整備されていること(令和4年の改正育児・介護休業法に対応したもの)と一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出等が必要です。「育児・介護休業等に関する規定」の整備・修正また一般事業主行動計画の策定等についても当事務所で相談対応しております。