中小企業の設備投資にかかる賃上げ助成金です。

 

[概要]

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。 生産性向上のための設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します

 

[要件]

  1. 賃金引上計画を策定すること
    事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
  2. 引上げ後の賃金額を支払うこと
  3. 生産性向上に資する機器・設備やコンサルティングの導入、人材育成・教育訓練を実施することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
    ( (1) 単なる経費削減のための経費、 (2) 職場環境を改善するための経費、 (3)通常の事業活動に伴う経費などは除きます。)
    単なる経費削減のための経費、職場環境を改善するための経費、パソコン、営業車輌など、社会通念上当然に必要となる経費は対象外となりますが、例外として PC、スマホ、タブレットの新規購入、貨物自動車なども生産性向上の効果が認められる場合は対象になります。
  4. 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

 

[受給額]

100人以下中小事業主のみ受給可です。
生産性要件の対象です。

賃金引上げに資する業務改善を行いその費用の一部を助成します。
申請期限 令和5年1月31日

コース 引き上げる労働者数 助成限度額 助成対象事業場 助成率
30円コース 1人 30万円

以下の2つの要件を満たす事業場

事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内及び事業場規模100人以下の事業場

[事業場内最低賃金900円未満]※2
4/5
生産性要件を満たした場合は
9/10 ※3

[事業場内最低賃金900円未満]※2
3/4
生産性要件を満たした場合は
4/5 ※3

2~3人 50万円
4~6人 70万円
7人以上 100万円
10人以上
(※1)
120万円
45円コース 1人 45万円
2~3人 70万円
4~6人 100万円
7人以上 150万円
10人以上
(※1)
180万円
60円コース 1人 60万円
2~3人 90万円
4~6人 150万円
7人以上 230万円
10人以上
(※1)
300万円
90円コース 1人 90万円
2~3人 150万円
4~6人 270万円
7人以上 450万円
10人以上
(※1)
600万円
※1
10人以上の上限区分は、以下①また②にいずれかに該当する事業場が対象となります。
①賃金要件:事業場内最低賃金900円未満の事業場
②生産性要件:売上高や生産量などの事業活動を示す指標の直近3か月間の平均値が前年または前々年の同じ月に比べて、30%以上減少している事業者
※2
対象は、地域別最低賃金900円未満の地域のうち、事業場内最低賃金が900円未満の事業場です。(令和4年4月現在)
※3
ここでいう生産性とは、企業の決算書類から算出した、労働者1人当たりの付加価値を指します。
助成金の支給申請時の直近の決算書類に基づく生産性と、その3年度前の決算書類に基づく生産性を比較し、伸び率が一定水準を超えている場合に加算して支給されます。

 

[申請までの流れ]

業務改善助成金を受けるために求められる行動は以下の通りです。

  1. 事業場内最低賃金が適用される労働者(雇入れ後6月を経過していること)の賃金引上計画を作成し、就業規則等に規定、申請後に賃金引上げを行うこと。
  2. 生産性向上のための設備・器具の導入などを行い、業務改善を行い、その費用を支払うこと
  3. 事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金額を下回る場合は、賃金引上げは、その発効日の前日までに行うこと。
    賃金引上げを地域別最低賃金の発効日以後に行う場合は、改定後の地域別最低賃金額を上回る事業場内最低賃金を基礎として、定められた額以上の引上げを行うこと。

まずは、都道府県労働局に助成金交付申請書の提出を行い、助成金の交付決定通知を受けます。その後、設備投資等を行います。
対象経費は・・・
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、原材料費、機械装置等、購入費、造作費、人材育成・教育訓練費、経営コンサルティング経費、委託費です。
「人材育成・教育訓練費」「経営コンサルティング経費」も助成対象となります。単なる経費削減のための経費、職場環境を改善するための経費、パソコン、営業車輌など、社会通念上当然に必要となる経費は対象外となります。

 

社労士より一言

以前からある助成金ですが、助成額の内容が変更となっています。対象労働者ですが、こちらは雇用保険の被保険者でなくても労働者数に算入できます。アルバイト1名だけ雇用しているといった事業場でも助成の対象とります。対象となる設備投資は、あくまでも生産性の向上につながるものになります。また、事前に設備投資の場合は、相見積もりが原則必要となります。助成の対象になりうるかを含めて、当事務所でも相談に対応しております。なお、以前に業務改善助成金を受給したことのある事業場でも、要件に該当すれば助成の対象となります。