65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年年齢の引上げのための助成金です。

 

[概要]

将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていくための助成金です。65歳以上への定年の引上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措置を実施した事業主に対して、当該措置の内容に応じ助成します。1年以上雇用されている60歳以上の方がいるかどうかが始まりです。

 

[要件]

  1. 労働協約または就業規則(以下「就業規則等」という。)により次の(イ)~(ハ)までのいずれかに該当する制を申請日前日までに実施し、就業規則を労働基準監督署へ届出た事業主であること。
    (イ)旧定年年齢(注1)を上回る65歳以上への定年引上げ
    (ロ)定年の定めの廃止
    (ハ)旧定年年齢及び継続雇用年齢(注2)を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入
    (ニ)他社による継続雇用制度の導入(注3)
    (注1)就業規則等で定められた定年年齢のうち、平成28年10月19日以降、最も高い年齢をいいます。
    (注2)就業規則等で定められていた定年年齢または希望者全員を対象とした継続雇用年齢のうち、平成28年10月19日以降、最も高い年齢をいいます。
    (注3)申請事業主の雇用する者で定年後または継続雇用制度終了後に他の事業主が引き続いて雇用する制度
  2. 就業規則により定年の引上げ等を実施する場合は専門家(注4)等に就業規則の作成又は相談・指導を委託し経費を支出したこと。または労働協約により定年の引上げ等の制度を締結するためコンサルタント(注5)に相談し経費を支出したこと。
    (注4)社会保険労務士、社会保険労務士法人、弁護士、弁護士法人、昭和55年9月1日までに行政書士会に入会している行政書士に限ります。
    (注5)専門家に加え、過去に当該業務の実績があり、業として実施していることが確認できる者に限ります。
  3. 高年齢者雇用推進者の選任および次の(a)から(g)までの高年齢者雇用管理に関する措置を1つ以上実施している事業主であること。
    高年齢者雇用管理に関する措置
    (a)職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
    (b)作業施設・方法の改善
    (c)健康管理、安全衛生の配慮
    (d)職域の拡大
    (e)知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
    (f)賃金体系の見直し
    (g)勤務時間制度の弾力化

 

[助成額]

制度と規模によって違ってきます。生産性要件はありません。60歳以上の被保険者の人数により額が違ってきます。
「対象被保険者数」および「定年等を引上げる年齢」に応じて、次に定める額を支給します。

●定年引上げ又は定年の定めの廃止

(注)旧定年年齢が70歳未満のものに限ること

●希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入

(注)旧定年年齢及び継続雇用年齢が70歳未満のものに限ること
(注)定年引上げと継続雇用制度の導入をあわせて実施した場合でも、支給額はいずれか高い額のみとなります。

 

社労士より一言

昨年度からの変更点はありません。最近は高齢者の活用もどんどん広がっていますので、定年の引き上げや雇用延長を実施している事業所も増えてきていると思います。雇用保険に加入している60歳超の人数によって助成額が異なってきますが、年金の支給開始年齢も引き上げられているので、60歳超の雇用の在り方について検討されているところも多いと思います。
1年以上雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人でもいて要件に該当すれば申請が可能です。ただし、申請にあたり、これまで高年齢者雇用安定法第8条又は第9条第1項の規定に違反していないことという要件があり、すでに就業規則等の整備がされていること(10人以上の事業所は届出も)が条件です。他にも要件がありますので、事前に社労士等の専門家に相談をされた方がいいと思います。また、今回の助成金の申請にあたっては専門家(社労士等)に就業規則の改定等を依頼することも要件となっています。当事務所でも対応いたしますので、ご相談ください。なお、提出先は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構になります。