■ 制度の概要

高齢者の雇用機会の確保を目的に、65歳以上の継続雇用制度の導入や定年の引き上げを行った事業主に対して助成される制度です。60歳以上の雇用保険被保険者を雇用しており、かつ一定の制度整備を行った中小企業等が対象となります。

 

■ 支給対象となる主な要件

  1. 以下いずれかの制度を就業規則等により導入・実施していること(労基署届出済):
    ・65歳以上への定年引上げ
    ・定年の定めの廃止
    ・66歳以上の継続雇用制度の導入
  2. 就業規則等の整備において、社労士等の専門家に依頼して経費を支出していること
  3. 高年齢者雇用推進者の選任および雇用管理に関する措置を1つ以上実施していること
    (例:教育訓練、作業方法改善、健康管理、安全配慮など)

 

■ 助成額(制度・対象人数に応じて変動)

  • 定年引上げまたは定年廃止の場合(例:65歳→70歳)
    1~3人:最大40万円
    4~6人:最大80万円
    7~9人:最大120万円
    10人以上:最大160万円
  • 継続雇用制度(66歳~70歳以上まで)の導入
    1~3人:最大30万円
    4~6人:最大50万円
    7~9人:最大80万円
    10人以上:最大100万円

※定年引上げと継続雇用導入を併用した場合、いずれか高い方のみが支給されます

 

■ 社労士より一言

年金支給開始年齢の引上げに伴い、60歳以上の継続雇用制度や定年見直しは今後ますます重要な課題となります。この助成金は、60歳以上の雇用者が1人でもいれば対象となる可能性があり、就業規則の整備に専門家を活用することも条件です。助成金の申請や制度設計においては、ぜひ社労士のサポートを活用してください。

助成額一覧(定年引上げ・定年廃止)

対象被保険者数 65歳引上げ 66〜69歳引上げ(5歳未満) 66〜69歳引上げ(5歳以上) 70歳以上引上げ 定年廃止
1~3人 15万円 20万円 30万円 30万円 40万円
4~6人 20万円 25万円 50万円 50万円 80万円
7~9人 25万円 30万円 85万円 85万円 120万円
10人以上 30万円 35万円 105万円 105万円 160万円

助成額一覧(継続雇用制度導入)

対象被保険者数 66〜69歳への継続雇用 70歳以上への継続雇用
1~3人 15万円 30万円
4~6人 25万円 50万円
7~9人 40万円 80万円
10人以上 60万円 100万円

※旧定年年齢および継続雇用年齢が70歳未満のものに限ります。
※定年引上げと継続雇用制度導入をあわせて実施した場合でも、支給額は高い方のみ支給されます。